
先日職場の後輩の男の子と雑談をしていたら、つきあっている彼女がしばらく会えないでいるとすぐに泣いてしまうと言っていました。そのほかにも、普段は明るく優しい子なのだけど、時々「私のことをわかってくれない」「さみしい」とか言ってくるので、男の子は「ちょっと疲れる・・・」と困っている様子。その彼女の生い立ちなどいろいろ話を聞いてみると心理的な障害を持っているような気がしました。
その子は「愛着性不安障害」なのだと思います。私自身もそうだったので、いろいろ調べてみました。私は「なるほど、私って愛着性不安障害なんだ!」とわかったことをきっかけとして、いまは克服できたと思っています。
愛着性不安障害は、特に幼少期の愛着形成に問題が生じた際に発症することが多い心理的な障害です。この障害は、人との関係性に対する深い不安感や恐れを特徴とし、人間関係の形成や維持に大きな影響を及ぼします。愛着性不安障害は、一般的に幼少期の親子関係において不安定な愛着関係が築かれた場合に発生しやすいとされています。
愛着理論と愛着性不安障害
愛着理論は、幼少期における親や主要な養育者との愛着関係が、その後の人間関係に大きな影響を与えるとされています。愛着関係は安全基地(安全な拠点)を提供することで、子どもの探索行動や社会的なスキルの発展を支える役割を果たします。
愛着性不安障害は、この愛着関係が不安定であったり、十分に形成されなかった場合に発症することが多いです。例えば、親が過度に厳格であったり、逆に放任主義であったりすると、子どもは自分の安全を確保するために不安を感じやすくなります。この不安は、成長とともに他者との関係性においても持ち越され、愛着性不安障害として現れることがあるようです。
症状と特徴
愛着性不安障害の症状は、以下のような形で現れることが多いです。
- 過度な不安感: 他者との関係性において、常に相手の反応や評価を気にし、不安を感じることが多いです。
- 分離不安: 親しい人や重要な人物と離れることに対する極度の不安や恐怖を感じます。
- 過剰な依存: 他者に対して過度に依存し、自立することに対する恐れを抱きます。
- 自己評価の低さ: 自己評価が低く、自分に自信が持てないことが多いです。
- 回避行動: 他者との親密な関係を避ける傾向があります。これは、傷つくことへの恐れから来るものです。
原因とリスク要因
愛着性不安障害の原因は多岐にわたりますが、主に幼少期の愛着関係に起因するとされています。具体的には、以下のような要因が関与することが多いです。
- 不安定な養育環境: 親の不在や育児放棄、虐待などがある場合、子どもは安定した愛着関係を築くことが難しくなります。
- 親の精神的健康: 親が精神的な問題を抱えている場合、その影響を受けて子どもも不安定な愛着関係を形成しやすくなります。
- 親の育児スタイル: 過度に厳格な親や、逆に過度に甘やかす親も、子どもの愛着形成に悪影響を及ぼすことがあります。
対処法と治療
愛着性不安障害の治療には、心理療法が有効とされています。以下に、代表的な治療法をいくつか紹介します。
- 認知行動療法: 認知行動療法は、不安や恐れを引き起こす思考パターンを認識し、それを修正することを目指します。患者は、否定的な思考をポジティブな思考に変える方法を学びます。
- 愛着ベースの療法: この療法は、患者と治療者との間に安定した愛着関係を築くことを目指します。これにより、患者は安全な環境で自己を表現し、安心感を得ることができます。
- 家族療法: 家族療法は、家族全体が治療に参加し、家族間のコミュニケーションを改善することを目指します。これにより、家族全体の絆を強化し、患者が感じる不安を軽減することができます。
日常生活でのサポート
愛着性不安障害を抱える人々は、日常生活においてもサポートを受けることが重要です。以下に、具体的なサポート方法をいくつか紹介します。
- 安定した環境の提供: 安定した生活環境を提供し、予測可能なルーティンを維持することで、不安を軽減することができます。
- 安心感の提供: 重要な人々との関係において、一貫性と信頼性を持つことが重要です。これにより、患者は安心感を得ることができます。
- 積極的なコミュニケーション: 開かれたコミュニケーションを通じて、不安や恐れを共有し、理解することが重要です。
以上が私が調べた愛着性不安障害についてです。
愛着性不安障害は、幼少期の愛着関係に問題が生じた際に発症することが多い心理的な障害です。この障害は、適切な治療とサポートを受けることで改善することが可能です。周囲の人々が理解し、サポートすることで、当事者は安心感を得て、より健全な人間関係を築くことができるとのことです。
